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フェザー苗の定植

1 定植前の準備

  ①トレリスの準備、確認  ⇒  「トレリス」の項参照

  

  ②土づくり  

     堆きゅう肥や土壌改良材を施用することが望ましいとされているが、今まで作物がつくられていたほ場ならば、特段目くじらを立てておこなうほどのものではない。但し、水田転換ほ場の場合は、土壌のph矯正を含め、本作業を怠ると生理障害が発生し、定植後では簡単には解消できないので注意する。

  ③耕耘と整地   

     トラクターでロータリーをかけ、整地する。

  ④一本支柱

     一本支柱を定植前にトレリスに固定する。

  ⑤フェザー苗の準備

     JA等から購入する場合、ポリ袋で根が包まれていても輸送中に乾燥するため、苗木は24時間以上吸水処理をする。本数も多く、苗木自体も大きいため、バケツ等ではNGなので、現場ではポリシートなどを利用しちょっとしたため池をつくり対応している。

 

  ⑥根部の消毒

     白絹病、モンパ病等の対策として、根部はフロンサイドSC等で浸漬処理する。  

2 定植

  ①台木は約40㎝あり、定植完了時には地上部へ20㎝出るようにし、土はかまぼこ形の高畝(ライズベット)になるようにする。

  

    *高畝も高すぎると後に諸々支障をきたすため、グランドレベル(GL)から10㎝くらいとする。

  

  ②盛り土を10㎝とするには、苗木はGLより5~10㎝程度掘る。

  ③苗木を穴にいれ、自立できないので一本支柱に固定する。その際、支柱と苗木には空間をつくる必要はない。 

  ④小型管理機で土寄せをし、通路は再度ロータリーにて整地し完成。

※水田転換等の地下水の高いほ場では、GL以下に根部をいれるないよう穴は掘らずに置き植えする。

 

3 フェザー苗木の取り扱いでやっていけないこと

 NG1 ほ場の状況をチェックなしに、いきなり定植する

  ・排水性のチェックは必須

    「排水性が良いはずだ」はダメ。最低でも降雨の翌日にほ場の状況を確認する。

    水田転換畑は必ず行う。

  ・ほ場の肥沃度は?

    やせ地では苗木の生育が劣り、貯蔵養分不足で凍害のリスクは大。

  ・最低でもpHは測定する

    pHの低い圃場が増えてきた。苗木生産でpHの低い圃場で生育不良例あり。

    事前に土壌検査し、pH6.0位まで改良しておく。

 NG2 届いた苗木の保湿・保温をしない

  ・日の当たる場所に放置すると根が乾燥する。低温期に外に放置すると根が凍害。根部に気温変化が大きいことがダメ。

 NG3 根を水に漬け過ぎる

  ・M.9は湿害に弱いので漬け過ぎは禁物。3日以上水に漬けたままにしない。

  ・掘ったばかり苗は乾燥していないので、長時間の水への浸漬は不要。

  ・購入苗木;届いてから定植まで何日もある場合は、仮植えする。

 

 NG4 定植時に盛り土をしない(深植えとする)。

  ・根周囲の排水性を確保するために、浅植えとし盛り土をする。

 

 NG5 定植時に幹周囲をしっかり踏んで固める

  ・М.9はとても酸素を必要とするため、踏み固めると根が呼吸しにくく発芽不良をきたす。

 

 NG6 台木の地上部長が長すぎる、または短すぎる

 ・台木の地上部長は20㎝以内とし、植付時にそろえる。長すぎると樹勢が弱くなるし、短すぎると深植えとなり根が窒息したり、やがて強樹勢となる。

 

 NG7 定植後、苗木の生育を確認しない

 ・定期的に生育を確認する。早期に異常が確認できれば対応しやすい。

 ・果実はならなくとも苗木への薬剤散布は必ず行う。

                                                          全農長野 生産振興課 リンゴ高密植研究会資料(2015)ほか より抜粋

    

フェザー苗の定植方法とフェザーの下垂誘引

定植完了;高畝(ライズベット)

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