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  病害虫防除

 

    病害虫防除には、スピードスプレーヤ(SS)が利用されていることはいうまでもない。日本型SSは極めてよくつくられていて、リンゴわい化樹はもちろんのこと喬木の立木から平棚のブドウやナシまで、幅広く使用可能な機能構造である。一方、ヨーロッパでも日本型と同機能構造であったものが、ここ10年ほど前より、わい化樹、わい化園専用のSSが開発され利用されている。(下図参照) また、韓国でも同様な動きが出ている。

  日本では、園地構造が多種多様なため、当面現状のままで行くと思われる。

日本式スピードスプレイヤ

日本型SS

リンゴ高密植わい化栽培用スピードスプレイヤ(欧米式)

​欧米型SS

  病害虫防除の考え方

   (一財)県植物植物防疫協会が発行する「農作物病害虫・雑草防除基準」等から、各JA毎あるいは地域毎に毎年防除暦が編成され、これらを利用し防除が行われている。リンゴ(ふじの場合)は年間12~13回がスタンダードで、地域により気候が異なり±2~3回である。

  さて、高密植栽培の場合、これが大きく変わるかというと、それはないと思われる。ただ言えることは、①リンゴ並木の壁が薄いので、薬の到達は極めてよく、散布死角ができずらいはずである。②そのことが1防除の散布量を減らすことにつながるかは疑問である。③しかし、防除効果が上がれば、年間散布回数を減らすことの可能性はある。④従来のわい化の列幅は4m、高密植で3mとした場合、面積(園)当たりトータル列数が増えるため、走行距離は長くなり、同速度同散布圧で行えば散布量は当然増える。10a当たり300リットル散布が400リットルに増加したとしても、リンゴの収量が今までの2~3倍になるので、10a当たり農薬費は上がるが、収穫物のトン当たり経費はかなり圧縮する計算となる。

 

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